まさか2部に渡ってお送りするとは思いませんでしたが、前回の記事をよろしければどうぞ。
対決:副院長
レントゲンの結果を待つ…。
10分程度過ぎたあたりだろうか、
歯科衛生士の人「ヨジチチさん、どうぞー。」
さすがに2回目は死の扉もそれほど怖くない。
と、言いつつも通常のスピードより3割程度遅かったかもしれない。
はじめに説教された部屋へ通される。
ドアを開けると、40代前後のメガネをかけた細身の男性が優しい声で言う。
細身の男性「こちらお座りくださーい。」
これはやばい。完全にパンチェッタ・ジローラモだ。
信用できないオーラがすごい。帰りたい。
細身の男性「副院長のジローラモ(仮名)です。」
ジローラモ「レントゲン見させてもらいました。これもうダメだね。とっちゃおう!」
軽い…。ノリが軽すぎる…。
ジローラモ「とりあえずこの虫歯は取るんだけど、その2つ隣の親知らずも取らないとやばいね。あと、親知らず3本あるんだけど、これも後々全部取った方がいいね。」
ノリが軽いし、こえーよ!
さすがにツッコミを入れることはできない。
オレ「結局5本抜くんですか?」
ジローラモ「2本は抜かないとダメ。残りは急ぎじゃないけど様子見て抜くよ。」
ここで攻勢に出る。
オレ「とにかく痛いのが嫌なんです!10年以上歯医者から逃げてきたんです!ぜーーーーーったいに痛くないようにして下さい!ごうんおvgtfvひgのいdh。」
途中から何をいったか覚えてない。
30過ぎたおっさんが、ジローラモに過去の体験を熱く語ること30秒くらいか?
最後に付け加えた言葉にジローラモが答える。
オレ「麻酔するときだって痛いじゃないですか!あれも嫌なんです!」
ジローラモ「麻酔の前の麻酔があるよ?それやる?」
なんだそれ…!
ジローラモ「男の人って嫌な人多いんだよね。ヨジチチさんみたいな人いっぱいいるよ。そんな人には麻酔の前の麻酔をおすすめしてる。」
オレ「それほんとに痛くないんですか?」
ジローラモ「痛くないよ。だってテープみたいなやつ貼るだけだもん。」
テープだと?それなら痛くないけど相手はジローラモだぞ?信用していいのか?
オレ「わかりました。それでお願いします。」
ジローラモ「じゃあ今日から2回にわけて歯石取るとこからはじめようか。」
ジローラモは歯科衛生士へ作業に入るよう伝え去っていった。
歯石取り
間髪入れずあの忌々しい治療台へ呼ばれた。
もう2度と見たくなかった光景。
紙コップを置くと出てくる水と、キュイーーンの先につける器具の数々。
心臓が飛び出そうだが、もう後には引けない。
イスへ座り待つこと5分…。
準備万端の歯科衛生士の女性がきた。
歯科衛生士「イス倒しますねー。」
歯科衛生士「口開けてください。水で洗っていきますんで。」
当然洗うだけなので、痛いわけはない。でも嫌!
早々に洗浄が終わり次の工程へ。
歯科衛生士「次は歯石取っていきますね。痛かったら言ってくださいね。」
ちょっと待て!麻酔は?ねぇ麻酔は?テープで貼るやつやらないの?
歯石取るときはやるって聞いてないけど、痛いの嫌っていったんじゃん!
ジローラモに聞いただろ?痛いの嫌な患者だって。麻酔のことを思い出せ!早く!
心の中で叫ぶ。
その思いは伝わらなかったらしく、ガリガリ削られていく。
ここで痛いのをアピールしようものなら、気持ち悪いおっさんと思われるかもしれない。
仕方なく我慢するが2秒に1度、針で刺されたような痛みが私を襲う。
そんな私を横目にヨメが「痛い?痛い?」と半笑いで面白がって聞いてくる。
後で覚えとけよ!
終わる予定が長くなったので次回へ続く。